雪の反映

無限につづく
だだっぴろい雪原を
感情を鳴らしながら
踏破していく

一斉に点滅していく青信号を
一斉に見送って
缶コーヒーの熱を
内臓に収める

音もなく
しめっていくあしうらへ
乾いた雪が
さらさらと
尾を引く

たちまちに
背中が冷えていくのを感じた
だだっぴろい雪原のなか
わたしの足跡が
一直線に続いて
体の芯まで冷えて
死んでいく心地がして
どこまでも強情に
あらがいたかった

さらさらと降る雪が
編んでいく布に
プラネタリウムのように
つぎつぎ反映されるわたしの半生
流れるものは停止して
息を殺して
林立する橅と
心拍を合わせた

雪原がとめどなくて息ができない