0(ゼロ)の雫

イルクーツクのそらが綻んで

暮れ惑う波濤のような
神のかなしみが

雪崩れをうって
大地を叩く

鼓膜が透き通るくらい
静かに

意識が遠のくくらい
切なく

次から次へと
雪崩れをうって

裸の木霊たちを濡らしながら

0の雫が

わたしの眉間を
甘く
羊蹄のように
蹴り上げては

ふたたびそらに還る日まで

光の手のひらに抱かれながら

きらきらと
きらきらと

ラインダンスを
踊っている