水中花

きらきらの水面から
みずうみへとしずみ
ゆらゆらする髪を
ゆっくりとさわりながら
そのときを
ずっとずっとすごしていたい

魚のようにちいさく
そして水のなかでも
生きられるように
つつじ色とあさぎ色の
干からびていた髪は
やがてみずみずしく尾ひれとなる

みちびかれるままに
知能や理性をうしなって
もうなんの声もとどかない、
そんな無我になりたいのだわ