baby blue

僕はいわゆるメッセージ性のあるものを本能的に避けていました。
詩を意味だけで追求すると、詩ではないものに行くという思いだった。
詩の意味を追求するのはそれこそ詩の意味がないんです。

――谷川俊太郎氏の言葉である。

ある言葉を繰り返し唱えていると、言葉はいつか意味を失い、
そこには唯、ばらばらに解けた音だけが残る。
消えない音など存在し得ず、逆に、残された音に何らかの意味が生じるのであれば、音というのも正確ではなく寧ろ、

残像

とでも表現するのが妥当かもしれない。
瞼の裏に焼き付けられた残像は、それ自体何のメタファーでもない。

こうして言葉は意味から開放される。