冷菓

ときおり
夏の思い出が
だらりと
溶け落ちて
空に穴が空いて
夕焼けが
顔を覗かせる
今、液晶を
花びらが
舞ったから
思い出を
舐める日が
だんだん
増えて
いずれわたしも
誰かの
赤い指先に垂れる